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ケアマネ試験の合格率とは?難易度や合格基準、勉強法について

ケアマネージャーになるためには資格取得が必須です。

多くの介護従事者がこの試験に挑戦し、介護の専門家としてさらなるステップアップを目指しています。

しかし、この試験の合格率は低く、多くの受験生が難易度の高さに直面しています。

 

そこで、ここではケアマネ試験の合格率、試験内容、勉強方法などについて詳しく解説します。

ケアマネ資格に興味がある人、ケアマネ資格取得を目指す人は参考にしてみてください。

 

ケアマネ試験の合格率・合格基準・難易度について

ケアマネ試験の合格率・合格基準・難易度について

これから試験を受けたいと思っている人にとって合格率・合格基準・難易度は気になるポイントではないでしょうか。

試験の難易度を知っておくことで心構えや準備を整えることができます。

まずはケアマネ試験の基本的な情報を知って、これからの勉強に備えましょう。

 

合格率

第26回(令和5年度)ケアマネ試験(正式名:介護支援専門員実務者研修受講者試験)の合格率は21%で、受験者54,290名中12,662人が合格しています。

合格率としては低く、難しい試験だということが分かります。

では、次に過去3年分のケアマネ試験の合格率を見てみましょう。

 

実施年度 受験者数 合格者数 合格率
令和3年度 54,290人 12,662人 23.3%
令和4年度 54,406人 10,328人 19.0%
令和5年度 56,494人 11,844人 21.0%

 

合格率が高めの年度でも23.3%と大変低い値で、毎年5人に1人程度の人数しか合格できない狭き門です。

 

また、過去10年の中で最も合格率が低い年が2016年度試験で13.1%、最も合格率が高い年が第2021年度試験で23.3%です。

年度によって差がありますがここ数年は20%くらいを推移している状況です。

 

難易度

ケアマネ試験はとても難易度が高い試験です。

合格率が低いだけでなく受験資格を得るために5年以上実務経験が必要であることも難易度が高いと言われている理由の一つです。

ケアマネを目指すためには試験が難しいだけでなく、長い実務経験が必要だということを知っておきましょう。

 

他の福祉系資格との比較

ケアマネ試験の合格率は他の福祉系資格と比べて合格率が低いという特徴があります。

 

資格名 合格率(2023年度試験)
介護支援専門員(公的資格) 21.0%
介護福祉士(国家資格) 84.3%
社会福祉士(国家資格) 44.2%
精神保健福祉士(国家資格) 71.1%

【参考】

第35回介護福祉士国家試験合格発表

第35回社会福祉士国家試験合格発表

第25回精神保健福祉士国家試験合格結果を公表します

 

介護福祉士が84.3%、社会福祉士が44.2%、精神保健福祉士71.1%の合格率です。

ケアマネは21%なので福祉系資格の中でもかなり難易度が高い資格と言えるでしょう。

合格基準

ケアマネ試験の合格基準は「全60問(1問1点)のうち、介護支援分野・保健医療サービス分野でそれぞれが合格基準点以上であること」です。

合計点が合格基準点に達していてもどちらかの分野が基準点に達していない場合は合格とならないので注意しましょう。

また、合格基準点は正答率70%ほどに設定されています。

以下が過去3年分の合格基準点です。

 

実施年度 介護支援分野(全25問) 保健医療福祉サービス分野(全35点)
令和3年度 14点 25点
令和4年度 18点 26点
令和5年度 17点 24点

それぞれの分野の内容をバランスよく勉強しましょう。

 

ケアマネ試験の基礎情報

ケアマネ試験の基礎情報

ケアマネ試験は正しくは「介護支援専門員実務研修受講試験」と言います。

試験の基本情報をチェックしていきましょう。

試験について(令和5年度)

試験日程 令和5年10月8日(日)
受付期間 令和5年6月~(都道府県ごとに違います)

 

合格発表 令和5年12月4日(月)
手数料 7,800円~14,400円(都道府県ごとに違います)
受験場所 勤務地がある都道府県or居住している都道府県指定の場所

 

ケアマネ試験は毎年10月中に全国共通の日程で実施されます。

受付期間は6月頃から始まることが多いですが、都道府県ごとに若干日程が違うので注意しましょう。

 

試験内容

試験時間 120分
出題方法 マークシート(5肢選択方式)
問題数 60問
試験内容/問題数 介護支援分野/25問

保健医療福祉サービス分野(基礎)/15問

保健医療福祉サービス分野(総合)/5問

保健医療福祉サービス分野(福祉サービスの知識)/15問

 

申し込みから資格交付までの流れ

ケアマネ申し込みから資格交付までは以下のような流れです。

 

  1. ケアマネ試験の受験資格を満たす
  2. 願書を受け取る
  3. 手数料を支払う
  4. 願書を提出する
  5. 受験票を受け取り受験する
  6. 合格する
  7. 研修を受ける
  8. 介護支援専門員資格登録簿に登録する
  9. 介護支援専門員証を交付受付する
  10. 介護支援専門員証を交付してもらう

 

ケアマネ試験受験から資格交付まではこのような流れです。

願書を受け取れる期間や提出する期間は事前に決まっていることが多いので、その期間を逃さないように注意しましょう。

 

ケアマネになるのはなぜ難しいのか?

ケアマネになるのはなぜ難しいのか?

一般的にケアマネは下記理由からの難易度が高いと言われています。

 

  • 質の高いケアマネが求められているから
  • 知識が変わりやすい分野だから
  • 自分の意志ではなく職場の意向で試験を受けることがあるから
  • 五肢選択式の問題が難しいから
  • 勉強時間の確保が難しいから
  • 試験の時間が短いから
  • 受験資格を得るまでに長い実務経験が必要だから

 

質の高いケアマネが求められているから

2018年度試験からケアマネ試験の受験資格が変わり、資格取得の難易度が上がりました。

その理由は知識があって力のあるケアマネを増やしたいという意向があったからです。

2018年以前は今と比べて試験のハードルが低かったため、専門知識が不十分なケアマネが増えてあらゆる問題が発生しました。

この問題を解決するために専門性が高いケアマネを増やすことを目的として試験のハードルを上げたようです。

知識が変わりやすい分野だから

試験範囲である介護保険法は3年に1回のペースで法改正が行われます。

そのため、法改正ごとに勉強内容が変わります。

合格するまで何回も試験を受ける場合、途中で法改正があれば勉強し直さなければならないのも難易度が高い理由です。

自分の意志ではなく職場の意向で試験を受けることがあるから

介護福祉士や介護業界で長い間働く人は、職場からケアマネ試験を受けるよう指示されることがあります。

職場の意向で試験を受ける場合は、自分の意志ではないことが多く、なかなかやる気が出ないという人も多いようです。

やる気が出ないと勉強がはかどらないため合格するのが難しくなります。

五肢選択式の問題が難しいから

ケアマネ試験の問題形式は五肢選択方式になっています。

五肢選択方式とは、5つの回答の中から複数の答えを選択する方式です。

複数の答えの中の1つでも回答を間違えたら不正解とみなされるため、難易度が高い出題形式だと言われています。

回答方式が難しいことも試験の難易度を上げている要因の一つです。

勉強時間の確保が難しいから

ケアマネ試験を受ける人の多くが介護系の福祉職として働きながら試験勉強をします。

福祉職は夜勤などもあって忙しい職業なので、仕事をしながら勉強時間を確保するのが難しいです。

ケアマネ試験に合格するためにはできるだけ短い時間で効率的に勉強することが大切です。

試験の時間が短いから

ケアマネ試験の時間は120分で問題数が60問です。

1問にかけられる時間は2分程度あり時間に余裕があるように思われますが、実際には時間が足りなかったという声をよく聞きます。

その理由は回答方式が五肢選択方式なので1問を解くのに時間がかかるためです。

短い時間で正確に回答するためには、回答方式に慣れておくことと内容をしっかりと理解しておくことが大切です。

受験資格を得るまでに長い実務経験が必要だから

ケアマネ試験を受けるためには5年(900日以上)の実務経験が必要です。

他の福祉系資格でも受験資格として実務経験が必要な場合もありますが、5年も実務経験が必要な資格はありません。

働きながら資格を取ることが多い介護福祉士も実務経験は3年です。

長い実務経験が必要なこともケアマネ試験の難易度が高い理由の一つです。

ケアマネの試験対策ポイントをご紹介!

ケアマネの試験対策ポイントをご紹介!

ケアマネ試験を受けるにはどのような勉強をすれば良いのでしょうか。

ケアマネ試験は働きながら学ぶ人も多い分野なので、できるだけ効率的に勉強することが大切です。

まずは対策ポイントをチェックしていきましょう。

 

  • 勉強スケジュールを立てる
  • 専門用語を正しく理解する
  • 2分野の勉強をする
  • 過去問を繰り返し解く
  • 福祉や介護に関わる法律・時事も勉強する
  • 通信講座もおすすめ

勉強スケジュールを立てる

どんな資格試験でもそうですが、試験合格に向けて勉強する際にはまずスケジュールを立てることが大切です。

特にケアマネ試験は働きながら勉強する人が多いので、時間の使い方が重要になってきます。

試験までの日数や・勉強できる時間の中でいかに効率的に勉強できるかを考えながらスケジュールを立てることが大切です。

 

勉強スケジュールを立てるコツ 参考例
試験までの勉強スケジュールを組む 夏までに試験範囲の勉強→秋からは過去問スタートなど
毎日勉強する時間・タイミングを決める 通勤時間・休憩時間など

専門用語を正しく理解する

ケアマネ試験では医療・介護・福祉に関する専門用語がたくさん出てきます。

専門用語が分からないと問題を解くのが難しいので、まずは専門用語を理解していきましょう。

言葉を覚えるだけでなく内容まで理解すると知識が深まるのでおすすめです。

2分野の勉強をする

ケアマネ試験の内容は「介護支援分野」と「保健医療サービス分野」の2つです。

試験の合格基準は2つの分野それぞれが合格基準に達していることなので、どちらの分野もしっかりと勉強しておく必要があります。

分野ごとの問題数と合格基準点は以下の通りです。

 

試験内容 問題数 合格基準点

(過去3年分平均)

介護支援分野 25問 16点
保健医療福祉サービス分野 35問 25点

 

介護支援分野が25問で合格基準点が16点、保健医療福祉サービス分野が35問で合格基準点が25点です。

どちらかの分野だけに偏らないようにバランスよく勉強するようにしましょう。

過去問を繰り返し解く

専門用語や試験範囲をある程度理解できるようになったら、次は問題に慣れていきましょう。

問題に慣れるには過去問を繰り返し解くのがおすすめです。

ケアマネ試験の問題は毎年似たような問題が出るので、過去問を解けば問題傾向や出題パターンに慣れることもできます。

問題を解くことに慣れてきたら次は時間を図って問題を解きましょう。

時間内に問題を解く練習をすると本番の練習にもなるのでおすすめです。

 

<こんな過去問集がおすすめ!>

  • 解説が分かりやすい
  • 重要なポイントが分かりやすい
  • 何度も繰り返し使える
  • 発行年度が新しい参考書(法改正前後に発行された内容が新しい参考書)

福祉や介護に関わる法律・時事も勉強する

ケアマネ試験では福祉や介護に関わる法律・時事・新しい制度についての問題も出題されます。

時事や新たな制度を知っておくためにもニュースや新聞などで新しい情報を取り入れるようにしましょう。

通信講座もおすすめ

ケアマネ試験の勉強をするなら通信講座を活用するのもおすすめです。

通信講座ならカリキュラムが組まれているので自分で細かいスケジュールを立てる必要もありません。

ポイントとなる部分の解説も詳しく分かりやすいので、効率的に勉強したい人におすすめです。

ケアマネ試験を受けるときのコツ!

ケアマネ試験を受けるときのコツ!

試験当日のコツは以下の通りです。

 

  • 難しくて時間がかかりそうな問題は後で解く
  • 満点を目指さず得意な問題から解こう

難しくて時間がかかりそうな問題は後で解く

ケアマネ試験の時間は120分で問題数は60問です。

1問2分程度で問題を解けば時間内の解ける計算になりますが、中には難しくて時間がかかってしまう問題もあります。

試験時間内にできるだけ多くの問題を解くためにも分からなくて時間がかかりそうな問題は一旦飛ばして後で解き直しましょう。

満点を目指さず得意な問題から解こう

ケアマネ試験の合格基準点は各分野で70%の正解率で合格となるため、満点を目指す必要はありません。

得意な問題をどんどん解いて正答率を上げましょう。

苦手な問題は無理せずに飛ばして、後で解き直しましょう。

もしもケアマネ試験に落ちた時は…

ケアマネ試験に落ちてしまった時は、気を落とさずに次の試験に向けて切り替えましょう。

まずは間違えた問題をチェックして自分が苦手な分野を見つけることが大切です。

苦手な分野が分かったらその分野を重点的に勉強すれば次の試験で合格できる可能性が上がります。

そもそも、ケアマネ試験は合格率が低い試験なので落ちてしまったとしても落ち込まないことが大切です。

ケアマネ資格取得のメリット

ケアマネ資格取得のメリット

ケアマネ資格は取得が難しいにもかかわらず人気が高いです。

人気が高い理由はそれだけケアマネになるメリットがあるということです。

では一体どんなメリットがあるのでしょうか。

これからケアマネ資格取得のメリットを3つご紹介します。

 

  • 給与がアップする
  • 幅広い仕事ができる
  • 転職しやすくなる

給料がアップする

ケアマネ資格を取得すると介護職員に比べて月給が5万円程度上がります。

そのため、給与を上げるために資格を取得する人も少なくありません。

介護業界はなかなか給与が上がりにくい業界とも言われているので、資格を取れば給与が上がるというのは魅力的です。

【参考】令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果

幅広い業務ができる

ケアマネ資格を取得すると業務の幅が広がります。

介護職員は実務が多い仕事ですがケアマネになるとマネジメントの仕事が増えます。

夜勤や介護の実務が減りデスクワークが増えるため体力的な負担が減るのもメリットの一つです。

転職しやすくなる

ケアマネの資格を持っている人は介護施設で重宝されます。

しかもこの資格を持っているということは専門性が高いことの証明にもなるため、転職の際に有利です。

まとめ

ケアマネ試験の合格率は10~20%程度と大変低いです。

受験資格として長い実務経験も必要なので、難易度が高い試験と言えます。

ケアマネ試験を受ける人の多くは仕事をしながら勉強をすることが多いので、効率を重視することが大切です。

独学で勉強することもできますが効率的に勉強したいという人は通信講座も検討しましょう。

カリキュラムや教科書が用意されているため、すぐに勉強を始めることができます。